基本概要

佐藤二朗が12年ぶりに書き下ろす新作戯曲!!
ー持つ者と持たざる者の、愛と憎しみの「境界線」ー

キッチンで煙草を吹かす至って平凡な女性、山田里見。彼女は介護ヘルパーである。新たな雇い主である相馬花は障がいを持っている。花は動物ライターの夫・和清とペットのウサギ「スケキヨ」と一緒に暮らしていた。要介助の妻と歳の差夫の関係はどこか奇妙ながらも幸せそうに見える。ある日、花の母・瑠依とその再婚相手の悟、息子の圭祐が訪ねてくる。上辺は取り繕っていても実の親からも、世間からも見放されている花にシンパシーを感じていく里見。優しい時間の中で、花も徐々に里見や和清に自分の気持ちを吐露していく。しかしある出来事をきっかけに、穏やかだった3人の関係が徐々に狂い始めていく。そしてその先にあった驚愕の秘密…。浮かび上がる「持つ者」と「持たざる者」の間にある埋めようのない「溝」。それを前にした時に、3人が選んだ衝撃の結末とは…。