稲垣 龍太郎
2015/10/09
徒競走でビリにならない。
競技で活躍できないなら、視点を変えて脚光を浴びる。
そのために、必死に考え抜く。
運動が苦手な私が、子どものころ、
毎年運動会で肝に銘じていたことです。
今では全員仲良く並んでゴール!なんてこともあるそうですが、
それでは、勝つ喜びも、負ける悔しさも味わえない。
私は、運動音痴ですが、順位はつけた方がいいと思います。
それでも、ビリにはなりたくない...
スタートした直後に内に切り込んで・・・
隣りの子は自分と同じくらいのレベルだから、
ビリ争いは、この子との勝負だ・・・
というように、勝つために負けないために、
必死に策を考えるのです。
小学校の6年間では、
くじ運の良さで対戦相手に多少恵まれたこともあり、
徒競走でビリになったのは、1回だけでした。
でも、残りの5回はブービー賞でした。
それでもビリにならないという目標は、ほぼ達成できたのです。
高校生になると、多少知恵が働くものです。
ジャンケンで敗れ、1000m走のクラス代表に選出!?
他のクラスは、野球部、サッカー部、陸上部の人間なのに、
なぜ、うちのクラスだけ、将棋部の私が出場しなければならないのか…
力関係を考えれば、稲垣がゴールするのを待つ状態になって、
とても気まずい視線を浴びてしまう…だからといって、急に運動神経は向上しない。
だから、当時の私は、どうすれば、気まずくなく目立てるかを考えました。
当時、大ブームとなっていたハンカチ王子こと早稲田実業(当時)の斎藤佑樹投手。
青いハンカチで汗を拭きながら、コース外側をゆっくり走りました。
激しいトップ争いへの歓声ではなく、多くの拍手と笑いが起こりました。
競技の結果で言えば、大負けですが、誰が注目を集めたかでは、私は大勝したのです。
全学年が揃い、親も集まる運動会。
そんな場所で、ビリにはなりたくない。
でも、足が速くてキャーキャー言われる同級生が羨ましい。
そんな小さな見栄と妬みをどうにかするため、
私は、毎年運動会の時期が近づくたびに、
身体よりも頭をフル回転させたのでした。
※写真は、高校の卒業アルバムの表紙です。
私のような、ちょっと独特な人間に配慮してくれたのか、タイトルは「十人十色」。
次は、柳沢部長です。