地域の居場所 ほっとサロン将監(後編)
2016/03/23 10:12
月刊杜の伝言板ゆるる2016年3月号
地域の居場所 ほっとサロン将監 (後編)
=NPO福祉ねっと宮城 事務局長 藤田 佐和子=
みんなの居場所
毎週木曜日、9時半前には、ボランティアリーダー2人が鍵を受け取り、空気の入れ換えをし、トイレ掃除をします。そこに、ボランティアが自分で決めた時間に合わせて自転車や徒歩でやってきます。
リーダー2人は週ごとに交代で台所と受付を担当し開店の準備を行います。台所ではお湯を沸かしたり食器を消毒する人、会場では襖を外したり、2人1組で机を組み立て、椅子を並べる人、それぞれが何をすればいいか判断しながらテキパキと動きます。一輪挿しやお茶菓子を各机に置き、準備が整って始めてのぼりを4ヶ所に立て、イーゼルを玄関先に置くと 開店準備終了です。10時半前には スタンバイし、ボランティア同士でコーヒーを楽しんでいます。
開店当初は100円・400円 のチケットを用意していましたが、今ではもっぱら受付用紙に○をつける簡素なスタイルにしています。 ボランティアも参加者の1人なので、ランチを食べない人は100円を入れ、食べる人は500円を箱に入れます。ほっとサロン将監は、参加者の居場所でもありボランティアにとっての居場所でもあるのです。
▲食事を地域の皆で囲む
6ヶ月にわたるサロン活動で、杖が必須だった人が持ち歩かなくなり、受け身で話を聴いていた人の笑顔が増え、サロンで出会った人たち同士が仲良くなっていく姿を見て、地域に〝出会う場、語り合う場〞があると、つながりが深まり、介護予防にもなることを実感しています。
個人的な話で恐縮ですが、肩こりでちょっと体調が悪いと思う時でも、活動が終わる頃には元気をもらって、軽やかになっています。ボランティアは人が喜んでいる姿を見て、自分の喜びとし、やりがいを感じるとよく言われるゆえんかもしれませんね。
あるボランティアが、「ボランティアのつもりで参加しているけれどボランティアされています」と語っていますが、同感です。私たちより年配のシニア世代から 生き方について学ぶこともあれば、 戦争の頃の話、まだ開発されてない頃の仙台の街の話などを聞き、「へぇ〜そうだったのか!」と、知らないことを知る喜びにワクワクすることもしばしばです。
どんなサロン(居場所)にしたいか、皆で話し合った時、地域を限定せずに老若男女が集まる場をイメージしましたが、いつの間にかシニア世代のサロンになっていました。しかし、これも地域ニーズを反映した結果であると思っていたところ、6ヶ月目にして思いがけず、初めて若いママさんと5ヶ月の赤ちゃんが登場しました。サロンに居た全女性は喜び、順番に抱っこし始めました。
また、「ずっとのぼりを見て気になっていたのよ」と言って、近所の友人を誘っておしゃべりを楽しんで帰って行った2人連れもいました。少しずつですが地域に受け入れられ、 定着しているのを感じます。
これから検討してほしいこと
今回は、「将監老人憩の家」の運営委員会の協力があり、助成金で食材費や水道光熱費を支払うことができましたが、4月以降、全てが自己負担になると運営が厳しくなります。
また、介護保険が改正され、自助(介護予防)と互助(要支援の人たちを 地域で見守る)という流れが民生委員や町内会長にも浸透してきており、私がお会いする町内会長さんは皆、有償ボランティアで運営したいと言っている点が一昔前と違っています。
無償ボラは尊いし、活動内容によってはそれが妥当な場合もありますが、週1回責任をもって活動する人に有償の仕組みがあると、特にシニア世代にとっては生きがい・やりがいにつながって力を発揮すると思います。
また、今後の課題として移動手段の確保があります。歩くと身体にもいいし、介護予防にもつながることは分かっていますが、足腰が弱くなり、歩いて7〜8分の距離でも車に乗ってくる人がいます。 また、サロンに来たくても交通手段がなく家に閉じこもっている人もいます。さぁ、運転ボランティアの出番ですが、リスクを考えて 活動に踏み出せないという現状があります。
独居高齢者や高齢者夫婦が増え、超高齢社会に突入することを考えると、閉じこもりを防ぐためにも移動サービスについて本気になって検討する時がきたように思います。
▲老若男女が憩う場
NPO福祉ねっと宮城
〒981-3213 仙台市泉区南中山2-2-3 NPO法人グループゆう内
TEL : 022-376–7679
E-mail:lnet5piece@gmail.com
けやきグループ
〒981-3132 仙台市泉区将監1-11-12
TEL/FAX:022-773-0749(火曜~金曜 13:00~17:00)
担当:佐藤、菅原
月刊杜の伝言板ゆるる2016年3月号
http://www.yururu.com/?p=1451
地域の居場所 ほっとサロン将監 (後編)
=NPO福祉ねっと宮城 事務局長 藤田 佐和子=
みんなの居場所
毎週木曜日、9時半前には、ボランティアリーダー2人が鍵を受け取り、空気の入れ換えをし、トイレ掃除をします。そこに、ボランティアが自分で決めた時間に合わせて自転車や徒歩でやってきます。
リーダー2人は週ごとに交代で台所と受付を担当し開店の準備を行います。台所ではお湯を沸かしたり食器を消毒する人、会場では襖を外したり、2人1組で机を組み立て、椅子を並べる人、それぞれが何をすればいいか判断しながらテキパキと動きます。一輪挿しやお茶菓子を各机に置き、準備が整って始めてのぼりを4ヶ所に立て、イーゼルを玄関先に置くと 開店準備終了です。10時半前には スタンバイし、ボランティア同士でコーヒーを楽しんでいます。
開店当初は100円・400円 のチケットを用意していましたが、今ではもっぱら受付用紙に○をつける簡素なスタイルにしています。 ボランティアも参加者の1人なので、ランチを食べない人は100円を入れ、食べる人は500円を箱に入れます。ほっとサロン将監は、参加者の居場所でもありボランティアにとっての居場所でもあるのです。
▲食事を地域の皆で囲む
6ヶ月にわたるサロン活動で、杖が必須だった人が持ち歩かなくなり、受け身で話を聴いていた人の笑顔が増え、サロンで出会った人たち同士が仲良くなっていく姿を見て、地域に〝出会う場、語り合う場〞があると、つながりが深まり、介護予防にもなることを実感しています。
個人的な話で恐縮ですが、肩こりでちょっと体調が悪いと思う時でも、活動が終わる頃には元気をもらって、軽やかになっています。ボランティアは人が喜んでいる姿を見て、自分の喜びとし、やりがいを感じるとよく言われるゆえんかもしれませんね。
あるボランティアが、「ボランティアのつもりで参加しているけれどボランティアされています」と語っていますが、同感です。私たちより年配のシニア世代から 生き方について学ぶこともあれば、 戦争の頃の話、まだ開発されてない頃の仙台の街の話などを聞き、「へぇ〜そうだったのか!」と、知らないことを知る喜びにワクワクすることもしばしばです。
どんなサロン(居場所)にしたいか、皆で話し合った時、地域を限定せずに老若男女が集まる場をイメージしましたが、いつの間にかシニア世代のサロンになっていました。しかし、これも地域ニーズを反映した結果であると思っていたところ、6ヶ月目にして思いがけず、初めて若いママさんと5ヶ月の赤ちゃんが登場しました。サロンに居た全女性は喜び、順番に抱っこし始めました。
また、「ずっとのぼりを見て気になっていたのよ」と言って、近所の友人を誘っておしゃべりを楽しんで帰って行った2人連れもいました。少しずつですが地域に受け入れられ、 定着しているのを感じます。
これから検討してほしいこと
今回は、「将監老人憩の家」の運営委員会の協力があり、助成金で食材費や水道光熱費を支払うことができましたが、4月以降、全てが自己負担になると運営が厳しくなります。
また、介護保険が改正され、自助(介護予防)と互助(要支援の人たちを 地域で見守る)という流れが民生委員や町内会長にも浸透してきており、私がお会いする町内会長さんは皆、有償ボランティアで運営したいと言っている点が一昔前と違っています。
無償ボラは尊いし、活動内容によってはそれが妥当な場合もありますが、週1回責任をもって活動する人に有償の仕組みがあると、特にシニア世代にとっては生きがい・やりがいにつながって力を発揮すると思います。
また、今後の課題として移動手段の確保があります。歩くと身体にもいいし、介護予防にもつながることは分かっていますが、足腰が弱くなり、歩いて7〜8分の距離でも車に乗ってくる人がいます。 また、サロンに来たくても交通手段がなく家に閉じこもっている人もいます。さぁ、運転ボランティアの出番ですが、リスクを考えて 活動に踏み出せないという現状があります。
独居高齢者や高齢者夫婦が増え、超高齢社会に突入することを考えると、閉じこもりを防ぐためにも移動サービスについて本気になって検討する時がきたように思います。
▲老若男女が憩う場
NPO福祉ねっと宮城
〒981-3213 仙台市泉区南中山2-2-3 NPO法人グループゆう内
TEL : 022-376–7679
E-mail:lnet5piece@gmail.com
けやきグループ
〒981-3132 仙台市泉区将監1-11-12
TEL/FAX:022-773-0749(火曜~金曜 13:00~17:00)
担当:佐藤、菅原
月刊杜の伝言板ゆるる2016年3月号
http://www.yururu.com/?p=1451