アナ・ログ

ともに(2)

金澤 聡

2012/03/09

あの震災から1年。
復興への道程はまだ一里塚。今年は道標をしっかりたてて、確実な道を歩むことが大事かと思っています。

何里離れているかは分かりませんが、遠く沖縄での取材中の車内。

FMラジオのDJが、東日本大震災の復興の思いを語っていました。仮設住宅で生活をされている人の声、故郷から離れて生活されている方の声など、震災から1年経ってもなお苦しい生活をされている方の声を紹介していました。

沖縄でもいまだ自分のこととして考えてくれていることに心が熱くなりました。楽天のキャンプを見に来ている地元・沖縄の方も話していました。
沖縄から楽天を応援することで東北・宮城が元気になってくれればと。
沖縄の小さな町でも聞けた復興の思い。

全国のひとつひとつの小さな思いが大きな動きになっていき、それが復興の歩を進めていく年になればと思っています。

南の島の守り神も東北も見つめていることを忘れない1年にしたいとも思っています。

次回は、梅島アナウンサーです。

ともに(1)

金澤 聡

2012/02/24

これを書いているのは、2月12日です。震災から11ヶ月が経ちました。
沖縄の久米島にいます。楽天キャンプ取材をしています。
久米島の綺麗な海を眺めていると、とても複雑な思いになります。
1年前に三陸を襲った海と同じ海とは思えません。

毎朝、楽天の投手陣は、久米島の海に向って今シーズンの目標を大声で叫びます。
一日に一人から二人ずつ順番で、この儀式は行われます。
この日の朝は、昨シーズン沢村賞を獲得した田中将大投手でした。
昨年は早朝に『沢村賞を取ります!』と宣言し、まさに有言実行となりました。
そして、今年。

『震災復興元年であり、東北のみなさんに明るい話題をたくさん届けられようにチーム一丸となって戦いましょう』

球界を代表するエースとなった今、被災地とともに戦う決意を叫びました。
2年連続で沢村賞を獲得できる権利を持っているのは、田中投手一人。
今年もマウンドで気迫の雄たけびを上げ、勝利という明るい話題を届けてくれるでしょう。
その先にある高みを目指すシーズンにともに応援していきたいと思っています。

次は寺田アナウンサーです。

寒い日が続きますが3日は節分4日は立春…もうすぐ春ですね!

金澤 聡

2012/02/15

いよいよ球春到来です。楽天も久米島キャンプで汗を流しています。
野村克也楽天名誉監督が、キャンプイン前によく『一年の計はキャンプにあり』と話していましたが、今年は、クライマックスシリーズ進出に大いに期待できる年です。キャンプでチーム力の底上げが出来ることを祈っています。去年は星野監督曰く、『ぬるかった』シーズン。今年こそ東北が熱くなるシーズンを!

ベガルタ仙台もキャンプイン。今シーズンは、去年以上の成績を残しACL出場に期待です。ただし、いまやそれほど大きな力の差がないJ1。少しでも足踏みすれば、降格の危機も襲い掛かってきます。
春の開幕スタートダッシュできるかどうか、非常に大事な気がします。

あの震災から一年。長い復興の道を一緒に歩もうと、スポーツ選手も必死に今シーズン戦ってくれることでしょう。
センバツに出場する石巻工業高校をはじめ、スポーツが再興の一助になることは間違いありません。
復興元年の今年、東北がスポーツで熱くなることを祈って、応援していきます。

さて、今回のテーマ『もうすぐ春ですね』は私で最後です。次回からは、東日本大震災からまもなく1年、『ともにI』と題してリレーしていきます。
トップは、林アナウンサーです。

あの日あの時一番役立った物は?

金澤 聡

2012/01/19

今回のテーマは、「あの日あの時、一番役立った物は?」です。


私にとってのあの日は、あの震災の時です。

地震の大きな揺れで、マンションの給水タンクが傾いてしまい、加えて停電したため長期間に渡って断水してしまいました。
困ったのは飲料水もそうなのですが、トイレの水も苦労しました。

私が住んでいるのは8階。もちろんエレベーターは稼働していなかったので、近くの公園の水を汲んでは階段でポリタンクを持って何往復もしなくてはいけません。これは相当難儀なことでした。
ですから、私の場合、当時を思い出すと『役立った物』というよりは、『そうしていれば相当役に立ったであろう物』になるのですが、「風呂の水」です。
震災前までは、風呂の水は午前中に洗濯水に使用するとすぐに流してしまっていましたが、震災後は、風呂に入る直前まで流さず貯めておいて、緊急用にとっておくことにしました。
この時季ですと水道管の凍結などで供給されなくなる場合も想定して、「風呂の水」を貯めています。

甚大な被害を受けた方には、瑣末な例で大変恐縮ですが、想定外のことがまたいつ起こるかは誰も予測ができませんので、小さいことからでも備えをしておこうと思っています。

次は、稲垣アナウンサーです。

2012年 辰

金澤 聡

2012/01/12

宮城にとっては、再生に向けた新たな年を迎えました。
今年もよろしくお願い申し上げます。

明けない夜はないし、明けない年はありません。旧年は先を想像することも難い大変な年でしたが、こうして年は明けました。新たな未来像を見据えた一年にしようと思っています。

スポーツ界は、今年も『復興の希望の光』として活躍してくれることでしょう。被災地で行ってきた野球教室、サッカー教室、バレー教室、バスケのクリニックなど、スポーツ選手との交流が子供たちの心に夢や勇気で彩られた虹色の光を灯しました。
つぶらな瞳に映る選手たちのひたむきな姿勢は、無限に広がる将来の希望につながると思っています。宮城にファンと選手の歓喜がこだまする年になることを期待しています。

今年もスポーツを通して、ともに復興の一助になれるよう頑張ります。スポーツが持つ大きな力を番組や中継で表現できればと思っています。
改めてですが、本年もよろしくお願いします。

次は、林アナウンサーです。

2011年今年を振り返って

金澤 聡

2011/12/16

『禍福はあざなえる縄』といいますが、これほどまでに甚大な災禍に悩まされた続けた年はなかったのではないでしょうか。
いまだ不自由な生活をされている方がいらっしゃいます。一日も早い復興をお祈り申し上げます。

私が訪れた震災直後の避難所では、食料は一日に1度。それも具なしのおにぎりでした。
みなさん文句ひとつ言わず、並んで配給を待っていました。
夜は何日も真っ暗闇でした。すすり泣く人をやさしく励ます方もたくさんいらっしゃいました。

あるお婆ちゃんは、炊き出しで並んでもらってきた自分のお味噌汁を、取材にきた私に「飲みなさい」といって差し出してくれました。もちろん丁重にお断りし、召し上がっていただきました。
惨憺たる状況の中でも他人に気遣いができる優しさに触れ、人間の心根の良心に感動を覚えました。
今年は、枚挙に暇がないほど東北の方の強さを感じた年でした。
ただし、『耐えられる』東北の方の強さに国全体が決して甘えることなく、さらにスピード感を持って復興への歩みを進めてほしいと期待します。

禍福があざなえる縄であるならば、来年は『福』となる年になるのではないでしょうか。
改めて、大切なご家族を亡くされた方に哀悼の誠を捧げるとともに、被災された方に謹んでお見舞い申し上げます。

『ともに』の精神を胸に、復興の一助になれるよう来年も歩んでまいります。


次は、飯田アナウンサーです。

今年の自分を漢字1字で表すと

金澤 聡

2011/12/01

私にとって今年の一年は、『生』でした。

今年は宮城に住む私たちにとっては、大変な年でした。大きな災禍が生じ、一瞬にして生活が変わりました。
生きることの意味を考えました。
そんな中、家族に新たな『生=命』が誕生しました。悲哀と疲労に覆われていた心に生気が宿ったような瞬間でした。
彼に今年は色んな意味で救われている気がします。きっと強い子に育ってくれることでしょう。

スポーツも被災した方の希望の光になりたいと生き生きした姿を見せてくれました。

星野監督を招聘して再生を誓った楽天。震災直後の開幕戦、あの奇跡のような嶋選手会長のホームランは間違いなく勇気を与えてくれました。シーズンは残念ながら5位という成績に終わりましたが、震災の復興は今年だけではなく長く険しい道程となるでしょう、ですから、ファンの方は来年以降に真の「東北の底力」を見せてくれると信じていることと思います。

ベガルタは躍進の一年となりました。拠り所にできる堅いディフェンスが生んだ数々の勝利。昨年J1残留の戦い方を探しに探してようやくたどり着いた理想郷、まさに生みの苦しみを味わったチームが、震災の逆境を見事に力に変えて具現化した負けない方程式。来年以降も楽しみです。

89ERSは、震災の影響で無期限の活動休止からまさに reborn(=再生)し、今シーズンのコートに立ちました。ブースターに支えられ生まれ変わったと言ってもいいでしょう。プロバスケチームもある街に改めて喜びを感じて今シーズンの活躍を期待しています。

来年はスポーツシーンに限らず、たくさんの歓喜が『生』まれることを祈ってます。


次は、寺田アナウンサーです。

あなたのドラ1は?

金澤 聡

2011/11/24

私のドラ1は、塩見貴洋投手です。
そうです、文字通り、今年の楽天のドラ1ルーキー塩見貴洋投手です。

忘れもしない、7月16日のオリックス戦、見事プロ初完投勝利を挙げ大物ルーキーの片鱗を見せてくれたからです。
なぜ忘れもしないのか、そうです、私がその日の楽天中継の実況をしたからです(笑)
だからというわけではないのですが、その日は楽天にとってペナントのハーフターンにあたる72試合目。節目の登板で、塩見投手は、10奪三振、無四球でプロ初完投勝利を挙げました。楽天の新人2ケタ奪三振は田中将大投手に次いで2人目という快投ぶりでした。
しかも、この日の登板は、岩隈投手と永井投手が戦線離脱するなか中4日での登板で、自身Kスタ初勝利となった試合でした。
本人もこの試合が今シーズンのベストゲームだったそうです。

今シーズンは、2ケタ勝利にあと白星一つ足りませんでしたが、来シーズンは2年目のジンクスなど感じさせない快刀乱麻を見せてくれるでしょう。

『塩見君、日焼けしないね』 『金澤さん分けて下さいよ』
球場で会うとこんな挨拶を交わしてくれるある意味強心臓(?)を持つ塩見投手ですから、来年の活躍が楽しみです。

次は、佐藤拓雄アナウンサーです。

冬が来る前に

金澤 聡

2011/11/11

今年は、冬が来る前に災害の備えをきちんとしようと思っています。

私も正直、あれ程大規模な震災が起こるとは思っていませんでした。
震災前、近いうちに起こるであろうと言われた宮城県沖地震でもある程度の備蓄があれば大丈夫だろう、
何とかなるだろうと思って、備えらしい備えはしていませんでした。
これを災害心理学で「正常化の偏見」というそうですが、
まさに、自分だけは、自分の家族だけは大丈夫という偏見があったのは確かです。

実際にあの震災で体験したのは、明日家族を養えるのかどうかという不安と
水、電気、ガソリンの供給源が断たれ、復旧のメドが立たないという先行きの見えない不安でした。
食料確保に東奔西走しました。
もし冬に大きな災禍に遭ったら、即、生命にかかわることになりかねません。

「備えあれば」ですし、「自分だけは大丈夫」ということはないと思って、もう一度備えを見直して、しっかり準備して冬を迎えようと思います。

想定外のことを想定する。
まさに今回の震災で学んだことです。


次回から新しいテーマです。

いも煮

金澤 聡

2011/10/20

毎年会社の仲間内でやろうとしていて、なかなかできないいも煮会。口約束が実現するのはいつの日になることか…。
秋はプロ野球やサッカーがシーズンの集大成だったり、インドアスポーツは開幕を迎えたりとなにかとイベントが多い季節。
なかなか、一同に会するとはいかない。
とはいえ、こまねいていても始まらないので、一応下見は行ってみる。会社で報告だけはしてみる。

『秋保でいいとこ見つけたよ!道具一切いらないから!』
『じゃあ…、今年こそそこでやりましょうよ…』

たぶん、今年もないでしょう。(笑)


今年は親戚一同でいも煮を計画中。
色んなことがあった年ですから、宮城の食材を使って、心と体の労を癒す会を開きたいと思ってます。
これが実現しなければ、親戚の方から「おおかみ少年」的な扱いを受けるでしょうから、なんとか頑張ります!

次は、稲垣アナウンサーです。

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