西ノ入 菜月
2023/06/09
学生時代、一番長くアルバイトをしたのは焼き肉店のスタッフです。
接客業は初めてだったため、料理やドリンクを初めて提供するときは、声や手が震えるほど緊張したことを覚えています。
そのため、働き始めてすぐのころは大きな失敗もたくさんしました。
一番の失敗は、お盆に乗せていた空のビールジョッキ8つを、何かの拍子にバランスを崩し、すべて床に落として割ってしまったことです。
あまりのショックで瞬時には状況が理解できず、立ち尽くしてしまいました。
その後、大変申し訳ないことに、常連のお客さんまでもが一緒になって片付けてくださり、その申し訳なさと、こんなにも温かいお客さんたちがこの世にいるのかと感激して、その場でシクシク泣いてしまいました…。
今でも思い出すと胃が痛くなって冷や汗が出ますし、お客さんに手伝わせてしまったことや、目の前で泣き始めた自分をとても恥ずかしく思います。
しかし、それ以来、あの日お客さんたちが私にして下さったように、自分も新人の方と一緒に仕事をする際、何か緊急事態が発生したら、まず解決策を考えて、冷静に行動できる人間になろうと心掛けています。
それ以外でも、焼き肉店でのアルバイト経験は今の仕事にたくさん生かされています。
お客さんにおすすめのお肉の美味しさを伝えるため、新メニューを出す前の試食会には必ず参加して味を知り、こういう言葉で伝えてみようと考えていたことは、今の食リポにも繋がっていると感じます。
また、お客さんが注文を頼みたい雰囲気を表情から感じ取ったり、箸やお皿を落とす音などを聞いてすぐに替えのものを持っていったりなど、仕事をする上で「今、誰が、どこで、何を必要としているか、このあと何が必要か」、先回りして動く癖をつけるようにしていました。
中には想像と違ってただの勘違いだった経験ももちろんありますし、そもそも気づけずにボーっとしてしまうこともありますが、(笑)
放送中も今何の情報が必要なのか、ゲストの方の表情を観察し、気になったら話を振ってみるなど、当時の経験が力になっている場面もあります。
このように、アルバイトをする中でたくさんのことを学ぶことができました。本当にお世話になりました。
自分の原点になったその焼き肉店には久しく足を運べていないので、またご挨拶も兼ねて食べに行きたいと思います。
次は堤アナです。