金澤 聡
2007/08/03
小学生の頃、自分だけの秘密の木がありました。
両親にも、兄にも親友にも、誰にも教えていない木。
夏休み期間中、ほぼ毎日その木へ行きました。
ラジオ体操が始まる前の午前5時。自転車に乗って河原の方へ15分。
そこから藪をかきわけて歩いていくと、その木はありました。
その木は、ちょうど目線の高さに穴がありました。
穴の中は、樹液に群がっているカブトムシにミヤマクワガタ、ノコギリクワガタなどまさに宝庫。
さらに、その木を思い切り蹴ると上からオオクワガタが落ちてきたり、
木の周りの腐葉土を掘るとカブトムシのさなぎが出てきたりと、
当時の僕にとっては、魔法の木でした。
夢中になりすぎてラジオ体操に遅れていったことも何度かありました。
高校生のとき、堤防工事でその木は伐採されてしまいました。
カブトムシ採集に興味はなくなっていましたが、ものすごく寂しい思いをしたのを覚えています。
いまでも夏になるとあの木のことを思い出します。子供のころの夏休みのいい思い出です。
次は、二児のパパ、佐藤拓雄アナウンサー。お子さんに夏休みのいい思い出を作ってあげるんだろうな。