2014/04/17
世界には色んな花があって、その花の位置づけも国によって違うことでしょう。
「桜咲いたら1年生」という感覚も恐らく日本だけ。
私の初めての入学式は“バグダッド日本人小学校”
ピカピカの1年生はヤシの木に迎えられました。
と言っても、イラクでヤシの木は1年中生えているので、日本の「桜=入学式」みたいな図式はありませんが、とりあえず小学1年生の春は、ヤシの木とライフルを持つ兵隊達に囲まれて入学シーズンを迎えます。
小学1年生なりに覚えているのが、バグダッド日本人小学校の校歌の歌詞。
これが校歌だったのか、あるいは地域の歌だったのか?は判然としませんが。
どんなものかと言うと、「チグリスのほとりで…」みたいな感じで始まります。
何のこっちゃ分からないので、当然「チグリスって何?」と親に聞きます。
両親は、特に母親は私と同じく非常に真面目なので「世界には、かつて4大文明というのが存在し、中国の大河・黄河のほとりには黄河文明があり、その特徴は…」などと教えてくれたかどうかは分かりませんが、とりあえず、チグリス川とユーフラテス川の間の‘メソポタミア文明’の存在について教えてくれました。
(父に聞くと「チグリスは濁っていて、ユーフラテスは澄んでいた」。写真はユーフラテス)
小学1年生の頭の中では「かつてはとてつもない文明を持った人達が存在し、今では考えられない空中都市や空飛ぶ自動車を駆使していた」などと想像し、歴史ロマンを感じておりました。
が、勇んで足を運んだバビロン遺跡にあったハンムラビ法典が彫られた柱(のレプリカ)は、子供にとってはただの石の塊であって非常にガッカリしました。
さて、家からバグダッドの中心街に向かう途中に橋がありました。
湾岸戦争でその橋が木端微塵に壊されたと聞きましたが、その橋はチグリス川にかかっていたそうです。
googleアースで検索すると(今はバグダッドですら上空写真が見られるんですね)チグリス川にいくつか橋が掛けられていて、しかも車が走っています。達者になさっている方も多いようで。
バグダッド日本人小学校は戦争で生徒が離散して自然消滅しましたが、今頃、現地校の新入生が「チグリスのほとりで…」なんて歌っていたりして。
次は柳沢さんです。