佐藤 拓雄
2016/03/23
正直言って、自分の卒業式は、覚えていることが、もうほとんどありません。
時間的に一番近い、大学の卒業式だって、四半世紀近く前のことになってしまうわけですし、幼・小・中・高・大、どの卒業式にも、生涯忘れないような強い思い出もありません。
卒業した本人は「通過点」ぐらいの感覚だからそんなものかもしれませんが、親になってみると、子どもの卒業式は、本当に毎回感慨深いものがあります。
子どもたち3人分でこれまで7回、卒業式・卒園式を親として迎えましたが、子どもが成長し、「通過点」を無事に通っていくことは、親にとってなんと重みのあることか。親になるまでちっとも気がつきませんでした。
今年は、長女の中学、次男の幼稚園と、2つ卒業式・卒園式がありました。
どちらも、色々なことがあったなあ、でもあっという間だったなあ、入学・入園の時を思い出し、大きくなったなあ・・・と本当に様々な思いで、胸がいっぱいになりました。
今回、次男の卒園式には、高校2年の長男も出席してくれました。長男は、ほとんど休みなく、学校と部活の毎日ですが、奇跡的に、その日だけ学校も部活も休みで、「行こうかな?」と言うので、ぜひおいでと誘ったのです。
次男も大喜び。前日、担任の先生に「お兄ちゃんが来てくれる」とわざわざ報告したほどです。
式が終わると長男は、「○○(次男)が楽しそうにしててよかった」と父親のような感想。11歳も年が離れていると、とにかく弟へのまなざしは、常に、「やさしい」の一言です。
家に帰ると、なぜか長男は黙々とチャーハンを作っていました。料理はおろか配膳や食器の後片付けすらほとんどしたことがないのに。弟の卒園を見届けた長男の心境にも何か変化があったのでしょうか。
生活力ついたなあ、どんなチャーハンができたのかなあと、期待していると、なんと作ったのは自分の分だけ。大盛チャーハンを「うまいうまい」と自画自賛してがっついています。
「あ、味見する?」と一口もらった、そのチャーハン。なかなかの出来栄えでした。
その味までが、次男の卒園式の思い出のひとつとして、私の記憶に強く刻まれました。
明日は、数年前に大学を卒業したばかりの、高谷アナウンサーです。