2011/08/22
東日本大震災の影響で、仙台での封切りが延期されていた映画「エクレール・お菓子放浪記」が7月30日から復興ロードショー(桜井薬局セントラルホール)として始まりました。
初日の上映前には、近藤明男監督、主演の吉井一肇君、林隆三さんが舞台挨拶、午後からは一番町でのイベントに出演して頂きました。
西村滋の自伝的作品「お菓子放浪記」の映画化したもの。様々な出会いと別れを繰り返し、戦中・戦後を必死に生き抜いていくアキオ少年(吉井一肇)の姿を通して、お菓子への憧れを平和への希望にまで昇華した作品です。
宮城県内の5か所でロケを行いました。被災地・石巻もロケ地の一つでした。北上川を下る渡し船のシーン、あのあたりも津波で甚大な被害を出してしまいました。
映画のエキストラとして出演してもらった方も、震災で犠牲になられたという話を聞きました。近藤監督も様々な思いで、今回の上映を迎えたということでした。
林隆三さんは、幼少の頃、お父さんの仕事の関係で仙台で過ごされました。今の付属小学校へ通っていたそうです。それだけに、震災を気遣う気持ちは、人一倍でした。
「おとなが勝手に始めた戦争で死んでたまるか」
このセリフは、一肇君、渾身の演技だったようです。
戦中・戦後を必死に生きたアキオ少年。
震災後、前向きに生きる人たちの姿と何かダブって映ります。
舞台挨拶で、一肇君、「この映画は宮城県の方に一番観てもらいたい」と。小学6年生とは思えない、立派な挨拶でした。
映画でも、また一肇君の言葉にも勇気をもらった1日でした。
西条八十作詞・橋本国彦作曲の「お菓子と娘」(昭和3年)
一肇君の透明感あふれる歌声も是非、聞いて下さい。