佐藤 拓雄
2018/02/13
子どものころ、テレビには、小さい人が入っているのだと思っていました。
ブラウン管テレビは「箱」のようでしたから、そう思えたのかもしれません。
薄型テレビの今、子どもたちは、そうは思わないのでしょうか。
それはそれとして、ご多聞にもれず、小さい頃からテレビが好きでした。
なかでも好きだったのは、教育テレビの「おかあさんといっしょ」で、それが高じて、出たこともあります。
さすがにこの頃には、テレビに小さい人が入っている、とは思わなくなっていたはずですが、テレビの中に初めて「入った」のがこの時でした。
小学生の頃、近所に「スクール・ウォーズ」のロケが突然来て、友達みんなで大興奮しながら山下真司さんを観に行きました。
そこにいた何人かが急きょエキストラに選ばれましたが、私は選ばれず、ちょっと残念、と思った記憶があります。
その頃から大好きだったのが「アメリカ横断ウルトラクイズ」。
大人になったら絶対出場して、福留功男さんにイジってもらおう、と夢を抱きました。
高校時代は「夕やけニャンニャン」全盛期。
大暴れするとんねるずを見ながら、どこまでが台本なのか、テレビの裏を知りたい、という欲求が芽生えました。
大学時代には、テレビ局の報道でアルバイトをしました。
「ウルトラクイズ」にも出ましたが、東京ドームであえなく敗退。福留さんにイジってもらう夢ははかなく消えました。
という、私の人生を振り返ると、ことあるごとに、テレビを「見る側」からテレビの「向こう側」へ行きたい、という思いが顔を覗かせていたことに気がつきます。
本当は音楽家になりたかった私ですが、今こうして「テレビの中に入って」仕事をできているのは、意外と偶然ではないのかもしれません。
【写真】某公共施設で見かけた年代物のブラウン管テレビ。これでも1984年製のようです。私たち世代にはテレビと言えばこんな感じという「原風景」のような感覚ですが、上に置いてあるVHSのビデオデッキといい、若い方々には骨董品レベルでしょうか??
明日からは、新しいお題です。