佐藤 拓雄
2022/02/09
世代的なものもあるのでしょうが、子どもの頃から、プロ野球は、いつも身近であり、それでいて、いつも手の届かないところに光り輝く、憧れの存在でした。
東京育ちなので、仙台における楽天イーグルスのような、地元の球団、というほど近くにプロ野球があったわけではなく、一方で、毎晩ナイター中継がテレビで放送されていた時代の子どもですので、最も身近な、というより唯一無二のプロスポーツが、プロ野球だった、そんな感じです。
中でも、王選手が一番の憧れ、スター中のスターでした。
言わずもがな、現ソフトバンクホークス会長の王貞治さんです。
小学校1年生の時だったと思いますが、子ども向けの「王貞治物語」的な半生記を何冊か読んで、すっかり傾倒。
甲子園での血染めのボール、プロ入り後のこれまた血の滲むような努力、そして人格的にも素晴らしいというエピソードの数々に、子ども心を大いに動かされたのでした。それに、なんと言っても、一本足打法があまりにカッコよかった。
ベーブ・ルースの記録を抜く715号ホームランは、運良くテレビ中継で目撃。
その後、ハンク・アーロンの記録を抜く世界最多の756号は、近づくにつれ連日ニュース等で報じられ、社会現象のようになる中、私自身も、今日か明日かと、その日を待ちました。
ナイター中継を毎晩のように見るようになったのは、むしろ王選手引退後、私の年齢がもう少し上がってからでしたし、初めて球場にプロ野球を見に行ったのも王選手引退後でしたので、生の王選手を見たことは一度もなく、だけれども、やはり私にとっては、王選手こそがプロ野球、強烈な原体験です。
時は流れ、仙台にまさかのプロ野球球団ができ、その最初のシーズンは、私もスポーツ担当として連日取材しましたが、楽天イーグルスの対戦相手としてのソフトバンクホークス、その監督が、王貞治さんでした!
子どもの頃からの憧れ、一度も生の姿を見たことのなかったスーパースターが、仙台の球場で、目の前に。
取材で来ているのに、王監督しか目に入らない、そんな気持ちでした。
王監督は、取材陣へも、いわゆる「神対応」で、非常に感激しました。
報道の人間の一人として、風上にもおけない、お恥ずかしい話ですが、仙台にプロ野球ができてよかったと最も思ったのは、王監督に会えたことかもしれません。
あ、でも、念のため申し上げておきますが、宮城県民、仙台市民として、楽天イーグルスを応援していく気持ちは、変わることはありません。
・・・ってなんか言い訳がましいですか?(笑)
【写真】は、あるご縁があって、個人的に(一方的に?)大変恩義を感じている、元楽天・鉄平選手のフィギュアです。
明日は、「スポルたん!NEO」MCの西ノ入アナウンサーです。